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事業所税の算出方法と非課税対象施設について解説!

法人や個人事業主が納める税金のなかに『事業所税』があります。
大都市の都市環境の整備や改善の費用に充てるための目的税で、1975年に創設されました。
主に人口30万人以上の都市や、政令指定都市など、特定の地域で事業を行い、事業所の床面積や従業員数が一定以上である法人や個人に対してかかる税金です。
今回は、事業所税の課税対象となる事業所の要件などについて、見ていきましょう。

事業所税の課税対象地域とは

事業所税は、大都市の都市環境の整備や改善の費用に充てるための目的税で、1975年に創設されました。

大都市のための地方税なので、特定の地域に事業所を構える法人や個人にだけ課税され、2021年4月の段階で課税対象地域は77あります。
東京都では23区のほか、武蔵野市、三鷹市、八王子市、町田市の4市で課税されます。
東京都以外では、札幌市や横浜市、名古屋市、大阪市、福岡市などの政令指定都市や、旭川市、宇都宮市、所沢市など人口30万人以上の地方税法施行令で指定された市などが該当します。

これらの地域に事業所がある法人や個人が事業所税を納めることになります。

事業税は所得に対して課税されますが、事業所税の課税方法はそれとは異なります。
事業所税には、従業者の給与総額に対して課税する『従業者割』と、事業所の規模(床面積)に対して課税する『資産割』があり、具体的な税率は以下のようになります。

●従業者割:従業者の合計が100名を超える場合に、従業者給与総額の0.25%相当額が課税されます。
●資産割:指定都市内の事業所の合計床面積が1000㎡を超える場合に、1㎡につき年額600円が課税されます。

つまり、課税対象地域に事業所があったとしても、事業所の合計床面積が1000㎡以下だったり、従業者が100名以下だったりする場合には、事業所税は課税されません。
また、地方公共団体や公共法人、公益法人なども非課税対象となっています。

従業者割と資産割を算出する際のルール

先ほどの従業者割と資産割の課税要件や税額の算出方法に関しては、細かなルールがあります。

まず、従業者の給与総額に対して課税する『従業者割』では、アルバイトやパートは“従業者数”に含みません。
たとえば、正社員が90名、アルバイトが40名の企業は、事業所税の課税地域に事業所があったとしても、従業員の合計が100名を超えないため、事業所税の課税対象にはならないことになります。

一方、課税対象となった場合に算出する従業者給与総額においては、アルバイトやパートの給与を含むので注意する必要があります。
なお、役員以外の65歳以上の人や、障がい者の給与は従業者給与総額から控除します。

事業所の規模(床面積)に対して課税する『資産割』でも、事業所の合計床面積に計算上、含まなくてよい施設があります。

休憩室や娯楽室、食堂や喫煙室、体育館や保養所など、従業員のための福利厚生施設は合計床面積には含まれず、非課税になります。
ただし、業務の性質上、必要とされる施設については、福利厚生施設に該当しないと判断され非課税にはなりません。
たとえば、更衣室などは原則的に非課税ですが、制服の着用義務がある会社の場合は、業務に必要な施設と判断されるため、非課税ではなくなります。
タクシー乗務員の仮眠室や研修所、工場の浴室なども同様です。

また、固定資産税上の“家屋”と認められ、事業用に使用している駐車場(屋内駐車場や立体駐車場など)は課税の対象になりますが、カーポートや土地だけの屋外平面駐車場などは非課税となります。

ほかにも、店舗・旅館等の一定の防火対象物(特定防火対象物)に設置される屋内消火栓やポンプ室、避難器具の設置部分などの消防用設備や防災施設なども非課税です。

資産割において、事業所総床面積や非課税の面積などを求めるには、事業所の図面や賃貸借契約書などが必要です。
これらの資料は、申告内容を確認するために税務署から提出を求められる可能性もあるので、しっかりと保管しておきましょう。

事業所税は特定の地域に事業所がある場合にのみ課税されるため、課税地域に事業所を移転した場合、申告もれが発生する可能性があります。
事業所移転の際は特に注意するようにしましょう。

※本記事の記載内容は、2021年10月現在の法令・情報等に基づいています。

https://mi-g.jp/mig/office?office=W6Gb3xGRtpU%3Dより

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